異形の歌姫

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「やめなよクローゼ、おびえてる」 すみっこのひとがわたしをだく。なんだかやさしくて、おかあさんみたい。 「おびえさせてすまなかったね。わたしはアンネ。きみのおともだち」 アンネさんはわたしのあたまをやさしくなでる。 「すまなかった、女の子。おれもきみのおともだちだよ」 クローゼさんはやさしいこえになった。おとうさんのこえとぜんぜんちがう。 アンネさんがわたしをつよくだきしめる。そしてみみもとでささやいた。 「ここはくらいもりのサーカス。ながいきしたけりゃおとなしくしなよ」
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