異形の歌姫

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「サーカス!」 おかあさんにきかせてもらった、ゆめいっぱいのたのしいくに。 わたしがそのサーカスにはいれるなんて! 「ここはほんとにサーカスなの?うれしいな、うれしいな!」 わたしはおおよろこびで、だきしめてくれるアンネさんをみあげた。 わたしはびっくりした。 「アンネさん、おでこにえだがささってる!」 うっすらみえるアンネさん。おでこにささった大きな木のえだ。 はやくぬこうと手をのばす。でもアンネさんはくびをふるだけ。 「おまえはなにもしらないんだね」 ほっぺにいってきなみだがおちた。 きょうはみんなないてばかり。
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