異形の歌姫

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「かわいそうな女の子、おまえもぼくらのなかまと言うのに!」 「クローゼ!」 アンネさんがおこった。クローゼさんはかたをすくめる。 よくみるとクローゼさんも、アンネさんとおそろい。 きっとなかがいいんだ。おともだちなら、なかよくしよう? 「アンネさんもクローゼさんも、わたしもなかま、おともだち。だからふたりとも、けんかしないで」 「ああ、ぼくもきみのようにいきれたらどんなにしあわせだろう!」 クローゼさんはおこっているのかないているのかよくわからないこえをあげた。 どんなにしあわせだろう。 すくなくともクローゼさんはしあわせじゃないみたい。 「ここにはしあわせがあるんじゃないの?」
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