異形の歌姫

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「ふむ、これはりっぱなものだ」 小さいおじさんはりっぱなひげをゆらしながら、わたしのかおを見てそういった。 しんちょうはわたしとかわらないのに、かおだけおとな。へんなの。 「この子をおねがいします」 おかあさんはおじさんにあたまを下げた。 「ここにはこの子のおともだちがたくさんいる。いまのくらしよりたのしいだろうさ」 「おともだち!おともだちがいるの?」 わたしはとび上がってよろこんだ。 だっておともだちなんてはじめてだもの。 「やったね、おかあさん!」
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