異形の歌姫

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わたしはよろこんだけど、おかあさんはかなしそう。 なんで? 「いいかい、ちゃんとこちらのざちょうさんの言うことを聞くんだよ。ぜったいだよ」 おかあさんはないていた。なんで?どうして? 「この子はりこうだからだいじょうぶさ。これいじょうじょうがうつるまえに行きなさい」 ざちょうさんとよばれた小さいおじさんが、おかあさんにおもそうな大きなふくろをわたした。 おかあさんはじっとそれをながめたあと、こえをあげてないた。 「わたしのかわいい子。ひどいおかあさんをゆるしておくれ」 わたしをだきしめてなくおかあさん。ちょっといたい。 「おかあさんなんでなくの?おかあさんはひどくないよ。なかないで」 わたしはおかあさんのあたまをなでてあげる。でもおかあさんはもっとないてしまった。
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