異形の歌姫

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わたしはおかあさんがきになったけど、うん、とうなずいた。 わたしがないたら、またおかあさんがかなしむから。 「さぁこっちにおいで。おいしいパンとスープをごちそうしてあげよう」 ざちょうさんはあかとあおのぬのをくぐって中に入っていった。 わたしはもういちどふりかえる。 とおくでおかあさんがわたしを見ていた。 でもわたしはおかあさんをおいかけなかった。おかあさんのお出かけをじゃましちゃいけないから。 「おかあさん、行ってらっしゃい!」 わたしはげんきいっぱいに手をふった。 おかあさんは目をエプロンでおさえて、こんどこそもりのおくへきえていった。
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