~泣き声~

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「はい!私です…あっそうですかぁ」 声の高鳴りを抑えきれず 会社の電話で話している この男性は【烏山 武】 今日 8月10日をもって 二児の父親となった 「え?双子の男の子ですか!?…あッ!いぇ名前が一人分しか考えてなくて…はい、ではすぐに向かいますので…はいありがとうございました」 武 は 仕事を部下に預け すぐに病院に向かった。   病院に着いた 武は名前の事で 悩んでいた すると 前から来た奇妙な格好をした老人がすれ違いざま 武 の耳元で 「蛇と鬼は決して交わらない」 …と呟いた 武 は フッ! と後ろを向いたが 自動ドアに映った自分の姿しか見えなかった…   急ぎ病室に駆け込んだ 武 の頭では 不思議と2人の名前が決まっていた 『あなた!男の子2人だって!!名前どうします?』 「あぁ、それなら来るまでに考えたよ!」 『本当に?くだらない名前だったらダメだからね』 「まず上の子だが【蛇煉】ってのはどうだ?熟練の蛇遣い みたいでかっこいいだろ!!」 『う…ん』 「次に下の子だけどやっぱ兄弟だし同じ字を使って【鬼煉】ってのはどうだ?」 『う~ん、あなたが決めたのならいいわ』   「よしッ!!じゃあ今日からお前らは【烏山 蛇煉】と【烏山 鬼煉】だぞ!!」 と いい 泣いている赤ん坊を抱き上げた その時 武 は奇妙なものを見た… 【蛇煉】の左肩に【西】 【鬼煉】の右肩に【東】 という字が浮かび上がってきたのだ…   武 がそんな事に気をとられていると 双子は一斉に泣き始めた…
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