白い夜のカルマ Ⅰ

2/6
前へ
/27ページ
次へ
下校途中。 行きつけの花屋に立ち寄る。 色とりどりの花の中で 彼女の好きな色の花を選ぶ。   それがまるで、習慣のようにやきついてしまった。     俺には付き合っている彼女が居る。 美術部の三年、真山瑞希だ。 もうかれこれ、二年近くの付き合いになる。     瑞希から告白されたのが、一年の秋。 俺も元々、気になっていたから付き合ったが、 こんなに好きになるなんて思ってもいなかった。   クラスが一緒で気心の知れているからか、 仲たがいすることもなく、 俺達は順調だった。     ただ一つ、いつも気掛かりだったのは 瑞希の先天性の心臓の病だった。     そして三年の夏、瑞希は倒れた。     何の前触れも無く、倒れた瑞希に 俺は何も出来ず、立ち尽くした。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加