白い夜のカルマ Ⅰ

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「私、後二ヶ月だって」 この時の感情は、何にも例えることが出来ない。 一瞬で、目の前がモノクロになった。 頭に反芻する、二ヶ月の意味。 「あれ?ビックリしなかった?!」 「………」 「これ、本当なんだよ!先生が教えてくれたんだ、まいっちゃうよね」 「……瑞希…」 「ちょ…ちょっと、何で国光が落ち込むのよ?!」 「二ヶ月って…」 二ヶ月なんて、あっという間だ。 もっと早く教えてくれていれば… 色んなことを、彼女にしてやれたのに。 俺はたった二ヶ月の間、 彼女に何をしてやれるって 何を残せるって 驚くどころか、頭は そう考えるばかり。 思考は飛躍していく。
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