出逢いは突然に

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透はふらりとそのコンビニに立ち寄っていた (あぁきょうも疲れたビールとつまみをかって家ではやく一服したいな) そんなことをぼんやり考えながら透は買い物かごに手を伸ばした。 とりわけこのコンビニを選んだ理由などなかった、ただバイト先の家庭教師をしている家から近くまた透の好きなつまみの生ハムをおいていたからしばしば立ち寄ることになっただけだった だから、二人が出会ったのは偶然なのか必然なのかはわからなかった。 かごに二、三本のビール缶とつまみの生ハムを入れて透はレジへと向かった 視界はいつも悪かった 透はある日を境に目を悪くしていた医者にいわせれば何の異常もないそうだが 実際は透の視界は灰色のフィルターを通したようだった どこか曇っていてはっきりしない、つかみ所のないもやのなかにいるようだった (今日はもやがいつもにましてひどいな…どうしたんだろう…) 疲れた頭のなかにぽつりとそう思った。 人生って何なんだろう透はしばしばそんなことを考えていた。 考えでも考えても答えなんてでるはずもないことをぐるぐると考えていた レジにかごをおいたときどこからか声がした 「お兄さんカッコいいですねぇ!!」 一瞬それが自分に向かっていわれているのかわからなかった。 自分の中にその言葉がおちてくまでしばらくの時間を要した
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