2年前の12月24日

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唯は外を見たまま話し続けた。 「この辺の初雪って、毎年、年明けでしょ? 東京でホワイトクリスマスって、なんていうか、奇跡って感じじゃない?」 匠は外を見ながら答えた。 「こういうの何て言うか知ってる?」 「こういうの??」 「1%の奇跡・・・ってね」 唯は少しだけ感心したように尋ねた。 「へぇ・・・ちなみに誰の言葉?」 「誰って・・・俺のだけど」 唯は思わず笑ってしまった。 「ふふ、やっぱり麻美の言ったとおりなんだ」 「麻美? あいつ、何か言ってた?」 「うん。 『昔からちょっと良い台詞思いつく奴だったけど、私に言わせれば、ただの妄想バカ』ってね」 匠は思わず苦笑いを浮かべた。 「妄想バカって・・・麻美のやつ・・・」 「ところで、奇跡に確率ってあるの?」 唯の意外な食いつきに、少し考え、 「・・・あると思うよ。 あった方がおもしろいだろ?」 「おもしろい・・・? そういうもんなの~?」 「そういうもの」 2人はナポリタンを食べ終えてアポロを出ると、近くのカラオケボックスに入った。 その後は雑貨屋で買い物をして、ゲームセンターではプリクラを撮り、2人だけのクリスマスイブを楽しんだ。
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