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少女を自分のベッドに寝かせ、部屋を出る。
カインの母は、食卓に三つあるイスの一つに腰掛けていた。
カインは母と向かい合う形で、イスに座る。
そして、これまでの経緯を話した。
「ふ~ん、災難だったわね」
「まったくだ」
カインは不機嫌そうに顔をしかめ、食卓に片肘をつく。
カインの母は顎に手を添えて、何かを考えている。
そして何かに気付き、おもむろに立ち上がった。
カインが視線を母に移して尋ねる。
「ん?どしたの?」
「ちょっとだけ、その子を見て来てもいいかしら」
母は真顔で、返事も待たずカインの部屋のドアを開ける。
カインもイスから離れ母を呼び止めたが、母は手のひらを突き出して、
「男子禁制、スケベ撤退」
キッパリ言った。
誰がスケベだ!と、カインが怒鳴るのと同時に母が扉を閉めた。
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