Meet You 【出会い】

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「あはははは!」 「笑わないで下さいです!」 「いや、だって、行き倒れって……」 ククッと込み上げる笑いを、腹を押さえてなんとか堪えようとするカイン。 母も見えない位置で細かく肩を震わせていた。 「お金も食料も、前の町で底を突いたんです。 ここまで食い繋いだ自分を褒めたいくらいですよ」 イブは赤らむ頬を膨らませて、拗ねたように見せる。 そこに母が最後の特大皿を食卓に置いて、三つ目のイスに腰掛ける。 「ごめんなさいね~。 だったらスゴくお腹空いてるでしょ。 ささ、遠慮なく食べなさい」 「えっ、母さん、親父は待たなくていいのか? これって、親父の就職祝いだろ」 「それなら気にしなくていいわよ。 あの人はさっそく忙しいみたいだから、帰りは遅くなるんだってさ。 だから本当はカインと二人っきりで祝うはずだったんだけど、イブちゃんが来てくれたお陰で食卓が華やかになったわ」 「そんな……恐縮です」 眩しいくらいの笑顔で言う母に、イブはペコリと頭を下げる。 カインはいまいち納得してない様子だった。 「なんか、想像出来ないな。 だったら親父はいつごろ帰るんだ?」 カインがそう言うと、母は壁に掛けてある時計に目をやる。 「さぁ、何時になるかしら」  
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