Meet You 【出会い】

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「カイン、大変だ!」 突如、家の扉が乱暴に開かれた。 こんがり焼けた肉を今まさに頬張ろうとしていたカインも、シルバーを使って上品に振る舞っていた母も、空腹を満たそうとギリギリのマナーで食を進めていたイブも、驚いて手を止めた。 唐突に現れた人物は黒髪の青年、リックだった。 リックは扉の前で膝に手をつき、荒れた呼吸を整える。 しばらく間があいて、カインが恐る恐る聞く。 「あの、リックさん、どうしたんすか?そんなに慌てて」 「カイン!!」 カインの声がかき消えるほどの大声をあげ、リックは深刻な顔つきで言った。 「魔物が……魔物が、“また”この村に来やがったんだ!」 カインは目を見開いて、イスを弾き飛ばして立ち上がった。 「どこに……いるんすか」 「村の入口だ。 それと、オレらを逃がさないよう、周辺を大量の魔物が囲んでるらしい」 聞くや否や、カインはリックを押し退けて、外に飛び出した。 外では、逃げるにも逃げれずにいる村人が、阿鼻叫喚となっていた。
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