Curse 【呪】

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村人たちは、皆どこかへ逃げようと必死だった。 その中でカインは、ひたすらに元凶のもとがいる村の入口へ足を急がせた。 時には誰かと肩がぶつかり、その度に身がよろける。 それでも、一つの執念に囚われたカインは、腹の底からわく怒りにつき動かされた。 「ハァ、ハァ……くそ、もう二度と……なくしてたまるかよ!」 奥歯を噛み締める。 「おい、カイン!ちょっと待てって!」 「あれ、リックさん、いたんっすか」 「いたって……年上に対して失礼だぞ、それ」 リックがカインの後ろを走っていた。 頬をひくつかせて突っ込んだリックだが、カインは見向きもせずに走り続けた。 そんなカインを見て、リックの胸に不安がよぎる。 「カイン、あんまり感情的になるなよ。 お前まで、トトみたいに……」 「リックさん!」 トトという名がリックの口から出た瞬間、カインが怒鳴る。 「あっ……悪い」 リックは本気で反省したように、目を伏せた。 そうこうしてる間に、人だかりが出来た村の入口が見えてきた。
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