愛し、君へ。

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   買い物客でにぎわう、休日の市場。  その片隅で、その子は売られてた。 「この子、ください」  その子は大きな瞳で、僕を見た。 「旦那、お目が高いねぇ。この柔らかい肌、きっと楽しめますぜ」  売人は僕からお金を受け取って、その子を差し出した。 「ありがとう。だって、僕は子どもが好きだから」  僕はその子の手を引いて、帰路につく。  その子の大きな瞳が、不安げに揺れていた。  
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