世界の始まりと、終わりと

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アン「こら、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」 ユウ「わかってる!動き出さない今なら、やれる!」  ユウは動けない獲物目がけて疾風のごとく飛び掛ると、ドラゴン族の弱点である眼を狙った。  オリハルコンよりも硬いと言われる鱗で覆われている中で唯一の弱点……双方の眼を潰せばドラゴンは生命力を正常に保てなくなり絶命する。 ユウ「秘奥儀・疾風炎流斬!!」  ユウの一撃はエンシェントドラゴンの片目を潰す。苦しむドラゴンを一瞥すると、ユウは腰に下げたナイフを取り出した。一瞬の跳躍のうちに二度の突きを繰り出す。アース人の身体能力故の芸当だった。  エンシェントドラゴンは一声大きく鳴くと、平伏した。 アン「ほんとにやった?」 ユウ「たぶん」  ユウの言葉を聞くとアンは満足げに頷いた。 アン「さすがね~けどあたしが助けなかったらやばかったんじゃない?ぼ・う・や♪」  女性は艶かしい言葉をかけるとユウに近づいた。  その胸元は大胆に開いており、男を誘惑せんとしている。そして下も短いスカートであり、特筆すべきは上下共に黒で整えられていることか。魔法使いは黒い服しか着ないというのはよく言われていることだが、この女性もそれに漏れないように思えた。
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