プロローグ

3/3
前へ
/15ページ
次へ
明人は琴音の為に精一杯、力強く弾いた。琴音は静かに明人の演奏を聴いていた。   明「ふー。どうだったかな?」   琴「・・・・・・」   明「琴音ちゃん?」   琴「あ、ごめん」   明「どうだったかな?僕のピアノ」   琴「凄かったよ。どう表現していいかわからないけれど凄かったよ」   明「ありがと。琴音ちゃんにそう言ってもらえると嬉しいな」   琴「明くん。また今度私のために弾いてくれる?」   明「琴音ちゃんだけに弾いてあげるよ」   琴「ありがと。明くん大好きだよ。大きくなってもずっと一緒だよ?」   琴音は明人に抱きつきながら言った。   明「うん。一緒だよ。ピアノも琴音ちゃんが聴いてくれる限り僕は弾くよ」   琴「約束だよ?」   明「うん。約束」   幼い頃の甘い約束。約束は守らなければいけない。破ってはいけない。破ってしまったら相手を裏切ることになってしまうから・・・。何年経とうが、約束は永遠のものだから。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

157人が本棚に入れています
本棚に追加