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慰めるように、背中をトントンと軽く叩いてくる佐助の首に腕を回し、何度も首を振る幸村
まるで、何かを否定するように
「ま‥っ、まさむ‥っ殿、が‥っ、」
鳴咽を堪えながらだったからか、とぎれとぎれの言葉だが、佐助は理解してくれたようで
一瞬佐助の手がピタリと止まったが、今の幸村には気にする余裕なんてなくて
と、不意に佐助は幸村の肩を押し
「アイツが‥何かしたの?」
その声は低くて、今まで幸村が聞いた事がない佐助の声だった
戸惑う幸村の肩を軽く揺らし、幸村
そう、呼べば幸村は
「政宗‥どの、が、他の人と‥っ」
先程、政宗と目が合った時の事が脳裏に過ぎり、一度はひいていた涙がまた溢れてきて
結局、自分も単なる遊びだったのか
過去に政宗が付き合った人達と一緒、ただの一時の戯れ
「──ふぇ‥そんな、の‥」
嫌だ
戯れでもいいから
遊びでも構わないから
お願いします
どうか、別れるだなんて言わないで
俺はまだ、貴方が好きだから
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