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突然聞こえた声に、幸村はあからさまに肩を大きく震わせた
まさか今この場で会ってしまうとは思わなかったのだろう
佐助の腕の中に収まりながら、顔を上げる事も出来ず、ただ成り行きに身を任せるしかなくて
「……幸村…」
突如として乱入して来た人物…政宗も幸村が無抵抗に抱きしめられたままの状態が気に入らないのか、苛々したように舌打ちしながら来いと一言
腕を思い切り掴み自らの方へ引き寄せ
「…わっ、ま…政宗殿…!?」
あまりに一瞬過ぎる出来事に幸村はただポカンと口を開ける事しか出来なく、佐助も忌ま忌ましそうに相手を睨みつけるしか出来なくて
「オイ猿。コイツぁ俺のモンなんだよ」
奪い去った幸村をその腕の中へと納めては、直後佐助へ向け中指を上へと突き上げる仕種をして
「わかったら二度と手ェ出すんじゃねぇ」
佐助は無表情で政宗を見詰めるも、不意に鳴った授業が始まる予鈴の音に息を小さく吐けばニッと笑みを浮かべ、幸村に向けて
「俺様先に戻ってるよ幸村。幸村も早く戻って来るんだよ」
手を小さく振っては自らの教室へと足を進め
誰もが各々の教室へと足を進める中、自分達のみがその場に佇む光景
こんな所を教師に見つかったらこってり絞られるだろうな
他人事のように考えていれば不意に歩き出した政宗に腕を引かれ
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