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「あの猿と何話してた」
「え…佐助と…でございますか?」
依然放心状態が抜けず、ぽけっと相手を見つめていれば唐突に尋ねられ
何がなんだかわからないままに手を引かれつれて来られた場所は普段サボる時によく使用する屋上だった
政宗の意図が読めず、訝し気に相手の表情伺いながら佐助との会話を思い出し
「………慰めて、貰っておりました」
「アァ?」
明らか苛立った様子の相手に一瞬びくっと体を震わせるも、直後自分は苛立たれる謂れはないと心に言い聞かせ
幸村もようやくふっ切れたのか腕を組み、やや目付きが鋭くなった相手を睨みつけ
「政宗殿が悪いのでござる!…っ、」
少し前までは自分が何を見たのか、相手に指摘してやる勢いだったものの、いざ言おうとすれば脳裏に先程の光景が過ぎってしまい中々言い出せず
きゅぅっと痛くなる胸をわし掴みながら唇をかみ締め溢れそうになる涙をなんとか堪え相手を見つめれば、さすがに幸村の様子に気付いたのか先程の表情から一変し心配したような表情を浮かべ
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