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平気だから
大丈夫だから
心配をかけてすまぬ
そう言う幸村の表情は、凛としていて
とても嘘を言ってる風には聞こえなかった
あんなに大好きだった恋人と離れ離れになって、大丈夫なハズがないのに
「──どうして‥」
辛いなら辛いと言えばいいのに
泣きたいなら泣けばいいのに
どうして我慢をするんだ
しかし、幸村は佐助に対して柔らかくほほ笑み、花瓶に飾ってあった、一輪の花を佐助の前に持ってきて
「なんでも、ぶるうすたぁとか言う花らしくてな。政宗殿が異国から某の為にわざわざ取り寄せて下さったらしいのだ」
凄く嬉しそうに言う幸村に、疑問を感じた
こんな花一輪で、旦那はあいつを許したの?
わざわざ敵側についたあいつを
苦しい表情を浮かべながらそう言う佐助に、幸村は苦笑しながら一輪の花を握らせて
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