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「この花の言葉は、信じ合う心‥」
突然何を言い出すんだ
幸村が何が言いたいのか理解出来ず、眉を寄せていると、幸村は困ったように笑いながら佐助の左胸辺りに手を宛ててきた
「どんなに離れていても、敵同士になっても、某達はここで結ばれている」
だから、寂しくない
佐助の持つ花に手を添え、微笑む幸村のその瞳には、ムリをしている様子が伺えなく
あぁ、いつの間に幸村はこんなに強くなったのかな
この前までは、自分がいなければダメだったのに
「離れていても‥か。」
佐助は花を自らの顔に近づけ、そっと目を閉じた
離れていても心が通じ合うなんてバカらしい
そう思っていたのに
「釈だけど信じてやるか」
幸村の信じる、相手を
幸村が信じて家臣である自分が信じないのはおかしいから
ふと花に目を落とせば、遠慮深そうに小さく風に花びらを揺らせていた
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