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それから、何日か晴れて、何日か雨が降りました。
いびつの体は少しずつ、腐っていきます
もう、いびつは動けません。
蝿がさっき、いびつの体に止まりました
けれど、すぐにどこかへ飛んで行ってしまいました。
「僕も自由に飛びたいな」
空が飛べたら、何処へ行けるでしょう?
緑のお母さん。兄弟たち……思いはずっと遠くのりんご畑へと飛び立っていきます。
いびつの足もとには、さっきから、蟻が忙しそうに行き来します。
そうして、いびつの体を喰いちぎっては、巣へと持ちかえるのです
それでも、いびつはお構いなしに、りんご畑で飛びまわります。
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