へび王

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ナリタは綺麗に飾りつけられて、城の奥深い一室に閉じ込められました。 その部屋の鍵を持っているのは、へび王だけで、へび王は、気が向いた時に、気が向いただけ、ナリタの部屋に行くのでした。 ナリタの部屋は、ナリタと同じように綺麗に飾りつけられています。 それは、へび王を不快にさせない為で、王のまわりには、ゴミひとつあってはならないからでした。 へび王は、ナリタの長い黒髪に触れます。 ナリタの細いかかとに触れます。 へび王の問いかけに、ナリタは応えなければ、なりません。 ナリタは、へび王を怖れています。 ―王は、いつ私を殺すのだろう― そんな問いが頭の中で駆けめぐるからです。 ちょっとした、へび王の仕草に、びくびくしているナリタの事が、へび王には気に入りません。 びくびくしているのは、別にナリタだけではありません。 城の者はみんな、へび王に対して、怖れを抱いています。
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