へび王

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ナリタは、何日も寝込んだままでした。 へび王は、彼女の体を誰にも触らせようとはしませんでした。 「はやく診せないと、手遅れになってしまう」 と言う、医師の言葉にも耳を貸しませんでした。 ナリタを手放したくない。という思いが、彼の心を占領していたからです。 それで、へび王は自分は眠らずに、毎日、薬草を摘んだり、氷を作ってナリタの額にあてがったりしました。 どうして、自分がそこまでするのか、へび王は自分でも不思議でなりませんでした。 「こいつが死んでも、代わりの者はいくらでもいるのだ」 そう思っても、彼はナリタの世話をしてしまうのです。
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