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「ナリタなのか…!」
ネリマは叫びました。
「あなたは誰?」
ナリタは問いかけます。
「俺は、ネリマだ!」
城は乾いた木と土で造られていましたので、どんどん燃えていきます。
「火だわ!」
ナリタが声をあげました。
「今、助けてやる!」
ネリマは城へ駆け上がります。
「ナリタ!」
まだ、火の手があがってこない、ナリタの部屋を最初に開けたのは、へび王でした。
彼は傷を負っています。
部屋へ来る途中で、ネリマに付けられた刀傷です。
へび王は言いました
「お前を『生き返らせて』やる。すぐに、ここから出るのだ」
ナリタは首をふりました。
「ナリタ!」
次に叫んだのは、ネリマです。
「ナリタ、俺と一緒に逃げるんだ。火に焼かれて死んでしまうぞ」
「迎えが来ているのだから、さっさと行ってしまえばいいだろう」
へび王は、早口で言います。早くナリタをここから出さないと…彼女たちは生きてここから、出られなくなってしまいます。
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