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城は炎に包まれて、崩れ落ちてしまいました。
焼け跡からは、ふたりの遺体は見つけられませんでした。
…これは、その後の世の、話し売りの一節ですが…城が一気に焼け落ちた瞬間、城を突き抜け、天へと昇る二匹の黄金の蛇を見た…と。
二匹の蛇は、絡みあい、重なりあい、やがては一つになって、空の彼方へ消えていったと……。
その後
この国は支配者が幾度も入れ替わり、国自体も、幾つもの小さな国にわけられて、昔の面影も、へび王の伝説も、遠く過去へ消え去り、
新しい風が、ここにも吹き流れて来るのですが
それでも、この地域の人々は、蛇への信仰を続けています
おしまい
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