最期の別れ

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かあちゃんのお葬式には たくさんの人が集まって 来た。 おばあちゃんはとても 忙しく動いていて、来る人全ての人に挨拶をしてた。 ぼくは、その姿をただ見てるだけで・・・ みんな、かあちゃんの側で泣いていた。その中心にはとうちゃんがいた。 「ほら、龍太郎しっかりしなさい!あなたがしっかりしなくてどうするの!みんな遠くから来ていただいてるのよ!挨拶ぐらいしなさい!」 おばあちゃんは、とうちゃんを叱った。 でも、とうちゃんは俯きながら泣いて、ただ頷いてるだけだった。 おばあちゃん、もう少しだけ、とうちゃんを泣かせてあげて。とうちゃん、かわいそうだから。 ぼくも、とうちゃんに近づいた。 とうちゃんの側で、とうちゃんの隣で、とうちゃんと肩を並べた。 とうちゃんと一緒に・・・ おばあちゃん、ちょっとだけいい? ぼく、とうちゃんと一緒に泣きたいんだ。
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