《序章》

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降り注いで来る太陽はまだ夏と言う季節を忘れてはいない様であった。 やかましいセミの鳴き声も止み、ようやく涼しげな日常生活がむかえられると思われる今は暦の上では9月の下旬に達しようかとしている。 太陽も気を利かせてサマーバケーションの余韻でも…等と考えているのであろうか。 迷惑な話だ 俺はなんといっても季節の中では夏がもっとも苦手なのだから…。 俺が通っている「清志(きよし)高等学校」は自宅から役1.5km離れた場所にある。 おまけに行く途中、行く途中には坂道が多く、早歩きでもした日には腹周りのお肉に悩む中年女性にとっては絶好のウォーキングコースになるのではないだろうか。 そこを毎日、毎日徒歩で通学してるというのだから俺は俺を自分で誉めてあげたい。 純金であしらったトロフィーの一つも貰っておかしくはない頑張りっぷりだ。 そんな事を考えてる間に、俺は学校へ着いた。 いつも通りの平凡な学園生活が今日も平凡に流れていくハズだった。 あの時、俺がしっかりと制止しておけば…。
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