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春にはまだ少し早い…
そんな肌寒い季節に私は
彼と出会いました。
━━━ダダダダッッ
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!
遅れる───────!!」
突然ですが私.
〔池田陽南-イケダヒナ〕
は……
ただ今遅刻寸前ですっ!!
「やばいっっ;;
これ逃したら遅刻────!!」
プルルルル━━━
茶色の長い髪を振り乱しながら
陽南は目の前の閉まりかけの
電車の入り口へ思いっきり
飛びついた。
プシュ──…バンッ!
「ふっ──
セ―フだあっ…///」
そう言いながら陽南は
車内を見渡す。
寝坊のせいでいつもよりひとつ
遅い時間のこの車内には.
そんなに人がいなかった。
「うわっ!?」
その時丁度電車が動き出して.
乗り込んだばかりでどこにも
つかまっていなかった陽南は.
勢い良く後ろへぐらついた。
(やばっ!)
━━ガシッ!
「えっ??」
目を瞑って受け身体勢だった
陽南は.自分の体に当たった
あきらかに床ではない柔らかい
感触で目を開けた。
「━━大丈夫か?」
少し低い声に.
勢い良く顔を上げれば…
赤い髪をした.
ガラの悪い男の人が自分を
支えているのが分かった。
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