☆01章☆

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春にはまだ少し早い… そんな肌寒い季節に私は 彼と出会いました。 ━━━ダダダダッッ 「ぎゃあぁぁぁぁぁ!! 遅れる───────!!」 突然ですが私. 〔池田陽南-イケダヒナ〕 は…… ただ今遅刻寸前ですっ!! 「やばいっっ;; これ逃したら遅刻────!!」 プルルルル━━━ 茶色の長い髪を振り乱しながら 陽南は目の前の閉まりかけの 電車の入り口へ思いっきり 飛びついた。 プシュ──…バンッ! 「ふっ── セ―フだあっ…///」 そう言いながら陽南は 車内を見渡す。 寝坊のせいでいつもよりひとつ 遅い時間のこの車内には. そんなに人がいなかった。 「うわっ!?」 その時丁度電車が動き出して. 乗り込んだばかりでどこにも つかまっていなかった陽南は. 勢い良く後ろへぐらついた。 (やばっ!) ━━ガシッ! 「えっ??」 目を瞑って受け身体勢だった 陽南は.自分の体に当たった あきらかに床ではない柔らかい 感触で目を開けた。 「━━大丈夫か?」 少し低い声に. 勢い良く顔を上げれば… 赤い髪をした. ガラの悪い男の人が自分を 支えているのが分かった。 .
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