2話

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『それにしても‥君は泣くとか しないわけ?』 私を実験に使う時は、絶対居るくせに‥ 何言ってんの? 『泣く理由がない‥。泣く意味もない‥。日常だから』 そう‥生まれた時からの日常だよ。 薬品の匂い‥私にとっては香水と同じ。 泣き叫ぶ声‥私にとっては子守唄。 痛みはある、身体は痛みに反応するケド‥ 心が痛みに対して無反応なだけ。 空腹だって、眠気だって、寒さに暑さ、色々感じる。 今まで此処に居て、恐怖なんてなかった。 酷な実験だって、されたけど‥ 死ななかった。 ‥今日は違う。 目をえぐられ叫ぶ男。 その光景を見て泣き叫び、命ごいする男。 耳障りで、何とも言えないグロテスクな音。 悲痛な叫び、グロい音、最悪の BGMが聞こえる‥。 聞き慣れてる筈なのに‥ 「ガハルさん‥死んじゃいましたよ」 麻酔なしだから死んだんだ‥。 「んー、知らない。興味があるのは、この緑の眼球だよ」 ‥目的は目‥‥どっちにしろ、生きてても殺されてるか‥。 「次はうるさい‥この男ですね‥僕がしても?」 「いーよ。久々にディーガル君の手捌きが見れるしね」 耳障りなBGMが流れだした。 「ん?レオナ‥顔色が悪いよ」   〔グチャ〕〔ビチャッ〕 「珍しいですね‥36番が怯えるなんて」 「Σちょっとー、ディーガル君番号で呼ばないでよ!レオナって良い名前があるのにー」 「36番を名前で呼んでるのは、貴方だけですよ」 何されるかわからないケド‥ 怖いよ‥。 「呼んであげよーよ!‥‥震えてるね‥レオナ。怖い?(笑)」 「ち、ちが‥っ」 口が上手く、動かない。 「無理しなくても良いよ。恐怖を感じる事は良い事だからね」 今までだって恐怖は感じてた、 顔に出さなかっただけ‥ 「ガハルさん、取れましたよ。 はい‥黄色い眼球」 「僕より早かったね。腕あげた?」 「貴方には劣りますよ。それと、煩い男死にました‥自分の舌噛み切ってね」 舌‥私も‥ 「ディーガル君‥レオナが怖がるでしょ。真似したらどうするのよー」 「タオルか何かを、口に詰め込めばいいでしょ」 「だねー。レオナが死んだら、二人の死が無駄になるしねー」 「‥僕の時間が無駄になりますしね」 死にたい‥初めて‥思った‥  死んで楽になりたい‥と 「じゃ、始めるよ」 .
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