3話

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両目の移植実験から一週間が経ち、目を覚まし体力も回復したレオナは、“篭”に入れられた。 「(目が見えなかったらどうしようか‥)」 包帯でグルグル巻きされた、目を触るレオナ。 「(手足がまだ痛い)」 手首、足首も包帯で巻かれ、血が滲み出ている。 「ねぇ、大丈夫?キミ」 部屋の隅で、うずくまって居たレオナに喋りかける、少女。 「大丈夫‥なわけない」 「だよね、ゴメンね」 レオナの横に座る少女。 「名前なに?アタシの名前はラン。ラン・クリフォードだよ」 「レオナ‥」 ランはレオナの手を握り、握手をした。 「レオってさ、女の子?」 「レオ?」 「ああ、なんか男の子ぽかったから勝手にネーミングしたね」 笑みを零すラン。目が見えないレオナは声色でランが笑ってることがわかった。 「レオは‥どうして此処にいるの?」 「利用価値があるから居る」 「レオなん歳?」 「6歳になったばかり」 「アタシは10歳だから、お姉さんだね」 「ランはどうして此処に?」 此処に居る理由など興味ないレオナだが、ランと話す楽しさがある為、聞いてみた。 「‥売られちゃったんだ。親が借金してさ‥」 涙を堪えながら話すラン。 「私は此処で産まれたから」 横で震えるランを励ます様に、話すレオナ。 「ねぇ、アタシは“友達”だよ」 レオナの手を強く握るラン。 「“友達”って‥なに?」 「うーん、“友達”は‥何でも話せたり、助け合ったり‥それから‥」 「うん、もう良いよ。わかったから」 ランの手を握り返すレオナ。 「レオは外の世界を知らないからアタシが教えてあげるね」 「うん」 互いの手を握り、身を寄せ合いその日は一晩中、話しをしていた二人。 「此処に来て初めて楽しいって思った」 「うん、おなじ‥‥」 .
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