3話

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あれから2~3週間が過ぎた‥ 「‥(目が大分見える様になった‥)」 何時もの定置。部屋の隅で視力の確認の為、部屋をキョロキョロと見渡す。 「‥(手足の傷も治った)」 傷痕すら完全に治った手首、足首をまじまじと見つめる。 「‥‥‥‥‥‥」 レオナの目は誰かの姿を捕らえ様とキョロキョロと、再度動き回る。 「‥(どこに居るんだろ?)」 “友達”の姿を見つけ様と部屋の隅から移動する。 「‥‥‥ラ‥‥ン‥?‥」 ランの顔すら知らないのに違う場所の部屋の隅でうずくまる ランに駆け寄る。 「‥ラン‥だよね?」 痩せこけたランの体に触れる。 「‥レオ?‥」 重たそうに瞼を開け、自分を見つめるランの手を握る。 「うん。レオだよ」 体温の低いランを引き寄せ抱きしめる。 「レオ‥あったかぁい‥」 力の入らない体で自分を抱きしめるレオナの体に手を回し、かすれた声で‥ 「ありがとう‥」 「何もしてないよ‥‥」 これ以上、体温を下げない為に自分が身に纏う薄い服をランに纏わせる。 「寒くない?」 「うん‥‥‥ありがとう‥」 「‥さっきからそればっか‥」 安心したのかランは腕の中で規則正しい寝息をたて眠りについた。 「‥(なんか苦しい)」 「おい!36番は何処だ!」 大柄な研究員がレオナを探して部屋の中をうろつく。 「‥‥‥」 大柄な研究員に近づくレオナ。 「私が36番です‥‥」 大人しく研究員に名乗り、研究員と共に部屋をでた。 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」 連れて来られたのは実験室ではなく‥ ガハルの書斎らしき場所だった。 「やあ、レオナ‥いらしゃい」 ニッコリと、笑うガハルの横でレオナ等、興味なさ気で珈琲を啜るディーガルがいた。 「‥‥‥‥」 「あ、そんなに緊張しなくていいんだよ」 「座りなよ‥36番‥」 ソファーを指差し座る様に指示するディーガル。 「名前があるんだからって、言ったよねぇ?ディー君」 ニコッと、笑うガハルの笑顔は先程レオナに向けたモノとは違った。 「はいはい‥じゃー‥‥」 “ディー君”と、呼ばれるのが嫌いなディーガルは渋々、名前を呼ぶ。 .
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