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「ラン‥‥」
「‥レオ‥‥」
互いの名前を呼び、互いの存在を確かめる様に抱き合う。
「エヘヘ‥なんか逞しくなっよね」
「そう‥かな?」
カリカリと頬をかき照れ笑いする
レオナを見てクスクスと笑うラン。
「うん。頼れる感じがする」
「ランの方が頼れる感じだよ」
多くの事を話す訳ではないが、二人にとっては貴重で幸せな時間。
「め‥綺麗だね」
「‥ありがとう」
自分の目では無いのに褒められ素直に喜べないレオナがいた。
「あのね‥」
「時間だ!」
研究員が入ってきてレオナの腕を引いて部屋を出て行こうとする。
「ごめん‥また来るね」
「‥うん‥‥待ってる」
ランの言葉を聞き終わる前に連れ出されたレオナ。
「どうだった?」
「元気だったよ‥」
レオナはガハルが使う書斎に連れて来られた。
「それは良かったね」
「ガハルさん‥魅六の事で‥」
ノックも無しに数枚の資料片手に部屋に入ってきたディーガル。
「なんだい?ディーガル君は
ノックも無しに入ってくる無礼者なのかい?」
「すいません。‥取り込み中でしたか?」
「取り込んではないよ。何か用かな?」
「此処ではちょっと‥‥」
レオナに視線を送り、話しにくいと目で合図を送る。
「‥‥じゃあ、レオナは直ぐにそっちに行かせるよ」
ディーガルの視線に気付き訓練施設に電話をしたガハル。
「向こうの施設に凄腕の殺し屋が居るから教えて貰うといい」
同じ研究員が再度レオナを部屋から連れだした。
「で、レオナがどうしたんだい?」
「この間、行った実験覚えてますか?」
「‥ああ、猛毒を投与して一体何時間で体内に回るかってゆーやつ?」
「ええ‥これを」
手に持っていた資料をガハルに渡したディーガル。
「へぇ‥凄いねぇコレ」
「魅六は体内に入った毒を自力で解毒できる事が判りました」
「ありとあらゆる実験の副産物って所かな‥」
「まぁ‥そうゆう事です」
「引き続きお願いね」
ガハルは資料をゴミ箱に捨てると‥‥
「あの子は‥面白い子だねぇ」
頬杖をつき微笑を浮かべる。
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