4話

7/9
前へ
/102ページ
次へ
「‥‥‥‥‥」 ディーガルの書斎に連れて来られたレオナは眼鏡をかけ、資料整理するディーガルの背を見つめる。 「そこに座って待っててくれない‥」 ソファーを指差し、資料整理に勤しむディーガルに静かに頷きソファーに腰を降ろすレオナ。 30分後‥ 「‥あ‥‥‥ん?‥何で?」 自分の書斎にレオナが居る事に驚く。 「へ?‥いや‥連れて来られた‥んだけど‥」 自分が居る事に驚くディーガルに間抜けな声を出し、連れて来られた経緯を話す。 「ああ‥すまないね。‥忘れてた‥」 レオナに煎れたての珈琲を差し出し向かい側に座った。 「今日、魅六にはある男を殺してもらう‥」 「今日‥‥」 「そう‥拒否権はないから」 有無を言わさない眼差しでレオナの目を見つめるディーガル。 「じゃあ‥行こうか‥‥」 そそくさと出て行くディーガルを小走りで着いて行くレオナの胸は不安でいっぱいだった。 「‥(‥嫌な予感‥‥)」 初めて人を殺す不安か分からないレオナはただただ、理解出来ない不安に胸を締め付けられるだけだった。 「その銃‥実弾、入ってる?」 ポケットから小さな紙袋を取り出しレオナに向け投げた。 「弾、入れといて‥入れ方も教わったでしょ?」 殺す時 銀銃を使って、とだけ言い無言で前を歩くディーガルに幼いレオナでも疑問が過ぎった。 「‥(何で銃を持ってるのに‥何も言わないんだ?)」 銃を所持してたら取り上げられると思っていたレオナ‥。 「安心しなよ‥銃は取り上げないから‥でも、実弾は抜いてもらうよ」 後ろから撃たれたらたまったもんじゃないと、クスクスと肩を小刻みに震わせるディーガル。 「(コイツも気持ち悪い‥)」 半年間、アッシュに技術を叩き込まれた修練所の前まで来た。 「‥‥‥修練所?」 「そう‥修練所‥」 滅多に笑顔等、見せないディーガルが意味ありげな笑みを零したの見てレオナは背筋を凍らせる。 「‥(アッシュが教えてくれんのかな‥?)」 レオナの暢気な考えは直ぐに、壊される事になる‥。 .
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加