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「‥‥‥‥‥」
ディーガルの書斎に連れて来られたレオナは眼鏡をかけ、資料整理するディーガルの背を見つめる。
「そこに座って待っててくれない‥」
ソファーを指差し、資料整理に勤しむディーガルに静かに頷きソファーに腰を降ろすレオナ。
30分後‥
「‥あ‥‥‥ん?‥何で?」
自分の書斎にレオナが居る事に驚く。
「へ?‥いや‥連れて来られた‥んだけど‥」
自分が居る事に驚くディーガルに間抜けな声を出し、連れて来られた経緯を話す。
「ああ‥すまないね。‥忘れてた‥」
レオナに煎れたての珈琲を差し出し向かい側に座った。
「今日、魅六にはある男を殺してもらう‥」
「今日‥‥」
「そう‥拒否権はないから」
有無を言わさない眼差しでレオナの目を見つめるディーガル。
「じゃあ‥行こうか‥‥」
そそくさと出て行くディーガルを小走りで着いて行くレオナの胸は不安でいっぱいだった。
「‥(‥嫌な予感‥‥)」
初めて人を殺す不安か分からないレオナはただただ、理解出来ない不安に胸を締め付けられるだけだった。
「その銃‥実弾、入ってる?」
ポケットから小さな紙袋を取り出しレオナに向け投げた。
「弾、入れといて‥入れ方も教わったでしょ?」
殺す時 銀銃を使って、とだけ言い無言で前を歩くディーガルに幼いレオナでも疑問が過ぎった。
「‥(何で銃を持ってるのに‥何も言わないんだ?)」
銃を所持してたら取り上げられると思っていたレオナ‥。
「安心しなよ‥銃は取り上げないから‥でも、実弾は抜いてもらうよ」
後ろから撃たれたらたまったもんじゃないと、クスクスと肩を小刻みに震わせるディーガル。
「(コイツも気持ち悪い‥)」
半年間、アッシュに技術を叩き込まれた修練所の前まで来た。
「‥‥‥修練所?」
「そう‥修練所‥」
滅多に笑顔等、見せないディーガルが意味ありげな笑みを零したの見てレオナは背筋を凍らせる。
「‥(アッシュが教えてくれんのかな‥?)」
レオナの暢気な考えは直ぐに、壊される事になる‥。
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