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〔キィーッ〕‥‥〔ガウンッ〕‥‥
扉を開け、部屋に入ったと同時に撃たれたレオナは引き金を引いた主をア然とした顔で見詰める。
「な‥なんで‥?‥‥」
弾は頬を掠め、うっすらと血が滲み出ていた‥。
「‥銃を構えろ」
「なに‥」
〔ガウンッ〕‥状況が理解出来ずただ立ち尽くすレオナの足元、目掛け撃った。
「一度で理解しろ‥お前が殺すべき奴は俺だ」
「‥それは‥‥」
「いいか?‥戸惑うな‥撃て」
優し声色でレオナを見据える。
「‥‥‥‥」
カタカタ‥と銃を握る手を震わせるレオナ。
「どうした?撃てと言ってるだろうが!!」
目を背け、銃を構え様としないレオナに怒鳴るアッシュ。
「殺せ‥俺を殺さねーと大事な友達が殺されるぞ」
煩い‥煩い‥
分かってるよ‥そんな事は‥
でも‥体が‥動かないんだよ
「簡単な事だ‥教えたろ?お前なら出来る。俺の一番弟子だからな」
なんで‥何で笑えるの?
死ぬんだよ?‥なんで‥
「レオナ気にする事はねぇ‥」
あんたは気にしなくても、私は気にする‥
だって‥あんたは私の目標なんだから
だから‥死んで欲しくない
「‥引き金を引いてくれ」
「そんなに死にたいのかッ!!」
「ああ、死にてぇな‥」
「私はあんたに死んで欲しくない!」
滅多に感情を表に出さないレオナが怒鳴りあげた事に笑みを零すアッシュ。
「死んで欲しくねぇ‥か‥」
「何がおかしいんだよ」
「俺はお前に悲しんでもらいたくねぇ‥。
友達を失い悲しみにくれるお前は見たくねぇ」
そう‥俺みてぇになって欲しくねぇ
友に裏切られ、友を失った俺みたいにな‥
かつての友が‥ガハルが俺に頼みてぇ事があるとか言って‥
呼び出しにノコノコ行ったら‥この有様だ‥
変な期待を胸に‥もしかしたら昔みてぇに戻れるんじゃねぇかと‥胸を踊らせて‥
バカだよ‥俺は
俺をこんな所に閉じ込めた奴を殺そうと‥したが‥
無理だった‥過去の良い思い出だけが押し寄せてくる‥
「引き金引いてくれねぇか?
俺の為にな‥」
この世に居る意味がわからねぇ
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