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ルシファルトはゆっくり、周囲を見渡し、反応を見た。
そして、
「そして私はここに一つ提案をしたい」
ルシファルトの小さく、そして決意の固まった言葉が遠くまで行き渡り、
「我々は、この大戦で数多くの物を失った。
もう、このような惨劇を生まないためにも、帝国の降伏を機に水と豊穣の王国及び日ノ本皇国を解体し、新たにこの東大陸を統べる国家を建国する事を打診する」
この言葉は、誰もが驚愕した。リゼール、サリュナもまたしかり。
そしてルシファルトの言葉は続いた。
「国家は人の寄り所であり、国家は国民のために在るべきである。国家は国民と国土を護り、国民は国家を護る。
だがそれは!多数の国家が大陸にひしめいているからこそ生まれる言葉だ!
ならば、国境を無くし、民族の垣根を越え、我ら東大陸に住まう民は、一つの旗の下へ集い、隣人を護るために在るべきだ!
今この時が契機だ!同じ大陸に住まう者同士、これからは手を取り合い共に長い時を歩もうではないか!」
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