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そして真っ直ぐ聖女は二人に向き、
「新郎、ルシファルト・イゼリアス。汝はこの者を愛し、生涯を共にすごす事を誓いますか?」
ハープの音色のような聖女の言葉と、後ろから何千人もの視線を一点に浴びたルシファルトはビクッと身体が止まる。
「ち…ちっ!」
言葉が途切れ途切れで必死に言葉を話そうとするが、緊張のあまり言葉が出なかった。
そんなルシファルトの隣でリゼールは絡んでいた腕を解いてルシファルトの手を優しく握る。
大丈夫、私がいる。
そう言ってくれている様で、それに気づいたルシファルトは二人の間の手を見た。
そして顔を上げてリゼールを見ると、ベールの奥でリゼールが微笑んでいてくれている様だった。
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