家族じゃなくなった日

6/13
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
そして夏休みのある日あの事件は起った。 俺にとって夏休みは嫌なものでしかなかった、毎日家に居なければいけない。 家には24時間両親が居る。 いつ殴られるかビクビクして過ごす毎日。 両親に何処か遊びに連れて行ってもらった事なんて無く、思い出なんてもっての他だった。 夏休みも終りに差し掛かったある日、俺は両親の目を盗み近くの川に遊びに出かけた。 水遊びがしたかっただけ。 ただそれだけの気持ちだった! 約一時間位たった頃だろう。 遠くから声が聞こえてきた。 大声で怒鳴りながら俺の名前を呼んでいた。 声が段々こっちに近付いてくる。 俺の楽しいと感じる時間はそう長くは続かなかった。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!