126人が本棚に入れています
本棚に追加
その瞬間、ミサイルの2発が蒼白い光の中に消えた。
「ゴジラが…!うっ!」
M61が迎撃したミサイルの破片が空母に直撃し、衝撃に揺れる。幸い、空母にダメージは無かった。
「ゴジラが助けたのか…?」
画面越しに司令が言った。
「いえ、助けたのではありません。奴に人類が引いた敵味方の区別なんて関係ない…。ゴジラは善悪を超越した存在です」
無線を聞いていた黒木が注釈を入れた。
「お前の相手は俺だよ、ゴジラ」
空母の安否に気を取られていたゴジラの背後から再び大沢が強襲をかける。
ゴジラはそれに気づき、即座に放射能火炎を吐く。
「来る!」
「何!?」
大沢は分けもわからず操縦桿を一旦引いた。
「うぁっ…!」
「きゃぁっ!」
何とか放射能火炎は右翼をかするだけに止まった。
「くそ!ゴジラめ…!殺して…」
大沢の頭はカッとなり、感情的なる。その瞬間…。
「大沢!」
「大沢くん!」
伊吹と五条が同時に叫んだ。
「憎んで撃たないで…」
その後大沢の頭に言葉が浮かんできた。憎しみの連鎖を続けるな、と感じた。大沢はその言葉を聞き入れ、昂る感情を抑え、静かに操縦桿の発射ボタンを押した。
「…!」
伊吹が放たれた誘導弾を遠隔操縦する。日光を受けて銀色に光る誘導弾はゴジラの胸部に刺さった。
最初のコメントを投稿しよう!