再会、そして始まり

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グリーンの短い髪、まるで黄金のような瞳。 アルベルトは、この王国「キャピタル」の第一王子であり、アスロンの幼馴染兼恋人である。 アスロンが聖魔道の修行に出ている間、3年間会えなかったので、二人は久しぶりの再会に頬を緩めた。 アスロンは、新たにハーブティーを入れ、二人で会えなかった間の話を語った。 「それにしても、21歳になって随分女らしくなったね。」 「何?元々私は魅力的でしょ?」 そんな他愛もない話で盛り上がり、昔話に花を咲かせていると、アルベルトが突然真剣な表情で話しだした。 「アスロン、父さんからの言伝なんだけど。すぐに、城に来て欲しいらしいんだ。修行から戻ったばかりで、悪いんだけど…。」 その表情で、アスロンはアルベルトの父であり、この国の国王が何を言いたかったのか、大体予想がついた。 「アル、それって魔族絡みの話じゃなくて?」 ぎょっとしたように、アルベルトはアスロンを見た。 「そんなに驚かないで。私も何となく最近の人間界の異変には気づいていたわ。」 「そう。実はね、この頃結界がおかしいんだ。僕も一応魔道士のはしくれだろ?最近、結界が何だか弱まっているんだ。 アルベルトも、魔力を持っていて、王国の魔道士の中では「賢者」とも呼ばれる位、やり手なのだ。 「ねぇ、アルが気づいたのはいつ頃?」 「うん、ほんの3日前位なんだけど…。」 「けど?」 「一番結界が揺るいだのは、昨日の夜中。」
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