第二十五章~元カノ~

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「そうかも、しれないけど…」 「…………」 「アイツとは、縁がなかったんですよ」 「縁…?」 「だって、付き合ってたのは事実だけど――前にも言いましたよね? 『結婚はまだ、考えられない』 ――って」 「…………」 「あ、覚えてないか。車での、ちょっとの出来事だし」 “覚えている” 立ち飲み屋の居酒屋【金太郎】で、足を挫いたあの日――明彦にマンションの近くまで送ってもらった車の中。 確かに彼は、そう言った。
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