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「そうかも、しれないけど…」
「…………」
「アイツとは、縁がなかったんですよ」
「縁…?」
「だって、付き合ってたのは事実だけど――前にも言いましたよね?
『結婚はまだ、考えられない』
――って」
「…………」
「あ、覚えてないか。車での、ちょっとの出来事だし」
“覚えている”
立ち飲み屋の居酒屋【金太郎】で、足を挫いたあの日――明彦にマンションの近くまで送ってもらった車の中。
確かに彼は、そう言った。
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