優しい手のひら

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縁側から見上げる十六夜月が浮かぶ夜の空 望月から1日少し欠けた月は不完全ながらも美しさを見せて 「…将臣くん…、会いたい…」 いつも慰めてくれていた将臣に会いたくて 甘えかもしれない、だけど優しさに触れたかった いつの間にか睡魔が襲われて、夢の中にゆらゆらと入って行く ここは、学校? 微かに将臣の声がする、その声の方向を頼りに走って 「将臣!将臣何処?」 瞳が涙で掠れ瞳を閉じた瞬間、ドンッとぶつかってしまう 「緋直、か?」 ああ、聞き慣れた声が耳を擽って ギュッと抱き着いた、優しい優しい温もり 「…どうしたんだ?」 「っ…まさ…おみ…」 緋直が抱き着くと将臣が困惑しながらも頭を撫でて 「何があったか知らねえけど、頑張ったな」 何故、望む言葉をくれるの? 優しい将臣に甘えてしまう 将臣の言葉が投げ掛けられた瞬間、瞳から一筋の涙 「将…臣、私会いたかった…でも望美も朔もいるよ…京邸にいるの…」 将臣は先代八葉だからか驚きもしないままふと優しい微笑を浮かばせ 「じゃあ、会いに行くぜ」 夢の中だと分かっていたから 小指を絡め、小さな約をした そして縁側にいる緋直を見つけたリズは、若干戸惑いながらも何故か頭を撫でてしまう その瞬間、緋直から流れた涙は月の光りを受けて光る 「お前は、何を知っている…傷付けたのはお前ではないのならば…贖罪をしなければ…ならない…」 本当に傷付けたのならば あんな綺麗な涙は流さないだろう リズは無意識に緋直の体を抱き締めると目を細め力を強め、抱き締めた 続く
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