やめてこわさないでたすけて

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敦盛と緋直が帰って来た瞬間、魅春は緋直に近付いてくる 「緋直ちゃん…お話、しよぉ…?」     首を傾げながら十二単の裾を引く、拒否は許さないのならば仕方無いと言わんばかりに頷いた 敦盛はひき止めようとするも緋直は笑んで首を振り魅春と共に庭へと出て 「…なぁにぃ…?八葉が殆どアンタに行き始めるのよぉっ…」 「魅春は愛されてるじゃない…」 「魅春は皆じゃないと嫌!ヒノエも九郎も敦盛も望美もっ!魅春のなのぉ!!!」 ただの我が儘を言う子供と言わんばかりの姿 魅春は一通り告げたのか肩を上下させながら息をした 魅春はニヤリと笑うと最初に使われていた小刀を握り締めて、自分に向けている 今度は、分かっていたから 魅春が自分を刺す前に緋直は魅春を抱き締め 緋直の体に、小刀が入って行く様が廊下を通った八葉の視界に入って 「み…んな…?」 「緋直!」 「いやあああああ!」 「神子!」 望美が、一番に声を発して朔は悲鳴を上げるリズと敦盛は緋直へ手を伸ばす 「あ、はは…ごめ…また…だね」 「しゃべってはいけない、神子」 「先生の言う通りだ」 魅春は目を見開き首を振って叫んだ 「許さない、許さないからぁ!行け、犬神!」 何処からか怨霊を出す魅春は狂った様に笑う そして怨霊に告げて、緋直を消してしまうと願った 「緋直…危ないっ!」 リズも敦盛も緋直を抱えていたせいか手を出せずにいると、ヒノエが緋直に向かう攻撃を受ける 「ヒノ…エく…?」 「ごめんな…、本当は心の中では分かっていたのかも知れないんだけどね…」 ヒノエは軽い傷を受けながらも緋直に近付いて頬を撫でて 「…皆、そう思っているハズだぜ?」 ヒノエは他の八葉を見つめると九郎は真実を見たショックを押さえ目を細めて緋直に近付いて行った 「ずっと、泣いていたんだな」 「九郎…さん?」 頬に落ちてくる雫、ふと九郎の顔を見ると瞳から雫が落ちて 「すま…ないっ…」 「…いい…んです…」 九郎はふと笑うと緋直から溢れる涙を拭い 犬神を見つめ皆に叫ぶ 「怨霊を滅してから、緋直に贖罪をしなければならないな」 「ええ…さあ、魅春さん…覚悟はして下さいね?」 クスリ笑みながら八葉は犬神へ向かい刃を下ろしていった 続く
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