10人が本棚に入れています
本棚に追加
八葉が皆笑みながら個々の用事を済ませに行き、京邸には白龍と遊びに来た望美と朔そして魅春しかいない
楽しく話してた、けど止まらない胸騒ぎ
「…ねえ、緋直一緒に外に行こう?」
クスリ笑いながら首を傾げると緋直は若干戸惑いながらも頷く
耳鳴りが止まらない、だけど魅春が呼んでるから行かなきゃ
庭へと出ると魅春は妖笑を浮かべて懐から小刀を出す
「ねえ、緋直は八葉がいるの…ズルいよ?だからさ取っても、いいよね」
「魅は…「きゃあああああああああ!やめて!緋直ぉぉっ!」
何も言えないまま、目の前には腕から赤い雫を流した魅春
どんどん水干に赤が滲み
魅春は、笑った
「魅…春…魅は…」
望美と朔、ちょうど帰って来ていたのか八葉が駆け付けてくる
望美と朔は私を支えて、いつの間にか私の手には小刀が握らされて
「お前が、やったのか?」
「九郎殿、やめて緋直はそんな事はしないわ」
「そうだよ!九郎さん達どうかしてる」
「ならば、その手にある物はなんだ緋直以外に誰がいる」
「わた…し、緋直が…嫌…いだって…」
皆緋直を見下した様に見る、望美と朔は緋直を庇う様に抱きしめて
「あ…あああああああっ…私は…わた…しはっ!」
耳鳴りが、止まった
違う、私の意識が飛んだんだ
魅春、なんでなの?
ずっと側に、いたのに
続く
最初のコメントを投稿しよう!