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僕の目の前を、ゆっくりと舞う一枚の花びら。
春の暖かい日射しを浴びて、春の心地よい風に身を任せるその姿は、まるで宙を舞う桃色の蝶。
それを手にとって、優しく両手で包みこむ。
囁くように、呟いてみる。
「ありがとう。さようなら」
その言葉を待っていたように、僕の手のひらから、桃色の蝶がフワリと別れを告げる。
ひらひらと揺れる、小さな桜色の雪を見つめ、一人呟く。
「次に進むよ」
さぁ、君との誓いを果たしにいこう。
Fin____
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