孤独の中に彼女は潜む

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取り敢えず僕は制服のままだし、この辺りには顔見知りがたくさんいる。 場所を変えなくては。 立ち止まってタクシーを拾うかバスに乗るか迷っている間、彼女は通りの向こうの建物をじっと見ていた。 いや、ピカピカに磨かれた窓ガラスに映る空を見ていたのかもしれない。 「行こう」 ――その執着を断ち切るためには、君の記憶が必要なのか?
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