白く明るい牢獄で少女は眠る

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運転手は怯んで、すぐに扉を開けた。 「いくらだっけ?」 殊更に不機嫌そうにそう聞くと、向こうも嫌そうな顔になる。 「二千五百三十円」 プライベートで使うには高いな、と思ったけど仕方ない。 財布の中から小銭と札を綯い交ぜに掴み出して運転手に押し付けた。 その代わりに彼女の手首を掴み、車から降りる。
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