白く明るい牢獄で少女は眠る

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知り合いの医者がいるわけじゃなく、彼女の保険証を持っているわけじゃなく。 ましてや身内でもなく、制服も脱いだ僕は彼女と何の関係もない。 それでも手を引いて白い建物の扉をくぐると、保護者としての立場に気持ちが引き締まる。 彼女は何を考えているのか、表情を全く変えなかった。 頭では少し悩んだが、足が自然に心療内科に向いた。
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